オタク業界をビジネス的な目線で見てみた

オタク業界をいろんな角度で見て書いてみたり。自分の好きなもの近辺の話をしてみたり。時には婚活してみたり。

うたプリとタイバニの流行り方の違いとそこに見るソーシャルの可能性について

今年の女子向けに人気のアニメの二強となった、「タイガー&バニー」「うたの☆プリンスさまっ♪」は
ネットを経由して人気が爆発した作品です。
私が感じたこの作品の流行の共通点と違いについてまとめてみたいと思います。
女子向けに人気の作品ってニコニコ向けじゃないよね・・・と思ってるところもあるので
その辺も含めて語りたいと思います。
※【11/8 0:30追記】女子向けって言い切るのもどうかと思ったので、修正しました。

そもそも「TIGER & BUNNY」って?

まずは基礎知識のWikipediaから引用してみましょう。

TIGER&BUNNY(タイガー&バニー) 1 [Blu-ray]

TIGER&BUNNY(タイガー&バニー) 1 [Blu-ray]

TIGER & BUNNY』(タイガー・アンド・バニー)は
サンライズ制作による日本のテレビアニメ作品。2011年4月から9月までMBSほかで放送された。全25話。略称は「T&B」「タイバニ」など。

概要

近未来的な街を舞台に、個性豊かな特殊能力者「NEXT」がヒーローとして活躍する様を描いたアニメ作品。作中におけるヒーローたちは、全てスポンサーの援助を受けてヒーローとして活躍しているという設定に基づき、放送以前から実際に各企業向けにヒーローたちのスポンサーを募集するという商業展開が行われている。また、プロダクトプレイスメント以外にもテレビ放送では毎回各キャラクターにちなんだタイアップCMが放送されることになっている。
製作スタッフは漫画家の桂正和をキャラクター原案に迎え、監督はさとうけいいち、シリーズ構成は西田征史、アニメーション制作は「ガンダムシリーズ」で知られるサンライズが手掛ける。なお、西田は本作で初のテレビアニメの脚本を担当、キャラクターの性格設定などから全てオリジナルで創作し実写的なストーリーを作り上げた。
なお、制作局のMBSではテレビアニメ史上初のUstream連動放送を実施した。

一言でまとめると、おじさんヒーローが主人公で、相棒がイケメンの群像劇*1・・・といったところでしょうか。
ヒーローということで、イケメンもかわいいヒロインもいます。
サンライズのオリジナルアニメ。サンライズのオリジナルといえば、「コードギアス」も人気です。

前評判もなく、静かに始まりましたが、twitterや口コミの力を借りてあれよあれよという間に大人気に。
今では、今年1番の女子人気が高いアニメとなりました。
注目されてなかったアニメ 『TIGER & BUNNY』 の人気が爆発!! 「王道ヒーロー物語」に男女問わず多くの視聴者達を魅了:ニュー速VIPブログ(`・ω・´)

「うたの☆プリンスさま♪」って?

うたの☆プリンスさまっ♪』は、
株式会社ブロッコリーからPSP用に発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲーム。 2011年7月より『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』のタイトルでテレビアニメが放送された。


テレビアニメ

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』のタイトルで、2011年7月から9月まで独立局にて放送された。
ゲームと内容は異なるアニメオリジナルストーリー。

こちらは、乙女ゲーム原作のアニメ。
乙女ゲーム*2なので、イケメンわんさかの逆ハーレムものです。
アイドルとペアになって、デビュー目指す話です。


こちらも前評判はほとんどなく、第一話の「マジLOVE1000%」の映像が話題を呼びあれよあれよと人気に。
新アニメ『うたの☆プリンスさまっ♪』がネットで大人気!! クオリティーの高さに男女問わず好感触!!:ニュー速VIPブログ(`・ω・´)

人気の理由/共通点

この両作品、共通点が多く存在します。

  • 前評判がなかった(期待されてなかった)
  • 口コミベースでの広がり
  • つっこみどころ満載の話のつくり
  • インターネットでの配信があったため地域格差がなかった

盛り上がり方と配信方法について

2作品の共通点が多い一報で、盛り上がる層や方向性に違いが生まれました。
タイバニは、pixiv*3を中心としたイラスト系二次創作が、非常に盛り上がりました。
一方、うたプリは、ニコ動の踊ってみた、歌ってみたなど動画系二次創作も盛んで、pixivなどのイラスト系二次創作へも広がりを見せました。
インターネット配信方法の違いにより訴求した層に差が生まれたのが、一つの原因だと思います。

作品名 リアルタイム アーカイブ
タイバニ Ustream+twitter バンダイチャンネル
うたプリ ニコニコ生放送 ニコニコチャンネル

タイバニの肝は、リアルタイムのUst放送でした
参考:TIGER&BUNNYが破った常識 - 未来私考
これにより、以下の現象が起きました。

  1. 一定の時間になると、一斉にフォロアーがタイバニについてつぶやきはじめる
  2. タイバニを知らない人が不思議に思う
  3. フォロアーが楽しそうにタイバニについて話している
  4. タイバニについて興味を持つ

オタク女子は基本的に同じクラスタの人をフォローしていきますから、同じクラスタ(趣向)の人がとある共通のもので盛り上がっていると
自分の趣向に近いもののはずです。
興味を持たないはずがないわけです。
グループ意識の強い女子の特性も関わっているかもしれません。
同じことに興味を持てないと仲間はずれにされる・・的なw


そうして、次々とtwitterを経由して、タイバニは飛び火していきました。
最終的には、クラスタを飛び越え大きなブームとなり新條まゆ先生も二次創作をされるまでになっています。
顕著に現れてるのが、冬コミの1000サークル増とヘタリア、デュラララ*4などのサークル激減でしょう。
ジャンルコード別サークル数の推定速報(C81) - Myrmecoleon in Paradoxical Library. はてな新館



さて、うたプリは、なんといっても「マジLOVE1000%」中毒者発生というのが人気の肝になりました。
うたプリは、こんな流れが起きていました。

  1. 動画投稿者が「マジLOVE」中毒者になる
  2. twitterで叫ぶ
  3. ファンが反応する
  4. 「マジLOVE」原曲に流入する(うたプリに興味を持つ)
  5. 動画をあげる、ランキングに入る
  6. ファンが曲に触れる
  7. 「マジLOVE」原曲に流入する(うたプリに興味を持つ)
  8. 動画が増えてブームになる
  9. ファン以外のニコ厨も注目する
  10. 「マジLOVE」原曲に流入する(うたプリに興味を持つ)

一言で言えば、ニコ厨ホイホイのアニメでした。
つっこみどころ満載のアニメにはコメントを書かずにはいられないwという状態。
ニコ厨の性ですね。
空耳歌詞がつけられるのは、ニコニコソングとして認められたという証でもあります。


タイバニは、ニコニコ配信だとコメント数は伸びたか

否、だと推測しています。
理由としてあげられるのが、腐女子は、自分の感想や妄想他人に見られたくないというのがあります。
タイバニの人気は、腐女子がかなりの部分を占めています。

オタクの中でも腐女子は隠れなければいけないもの、なので
しかし、twitterでは同じクラスタ内という意識があるのでつぶやきやすいですし
更に、Ustの右側にあるtwitterの流れる速度が速ければ早いほど公開アカでも腐った発言をしても目立たない。
しかし、ニコニコはコメントの調整がしてあるので「腐発言」をすると目立ってしまいます。
コメントで、腐発言をする人がいれば荒れる原因となるでしょう。
こうしてみると、腐女子とニコニコは相性はよくないのです。


逆にいえば、うたプリはニコニコとの相性がとてもよかったのです。
二次創作がそこそこはやっているので、腐女子にも人気があるのは伺えます。
ですが、腐女子と同じくらいニコ厨がコメント数を支えていると推測しています。
この絶妙なバランスが、うまくニコニコとマッチングしてしたので上手くいった、と思います。

まとめ

  • twitterによる広まりは、女子のほうがひろまりやすい様子です。
    • うたプリは、乙女だったのに・・・タイバニのほうが女子色強かったようです)
  • 腐女子には、ニコニコよりもUstが相性がよさそうです。

参考リンク

D

*1:語彙力の少なさを露呈している・・・

*2:ギャクゲーの男女逆転もの。BLとは異なるので注意

*3:pixivで腐女子の流行はある程度測れる

*4:タイバニの前まではこの二つのジャンルが二強でした